6ヶ月点検の巻
さぁ、待ちに待った6ヶ月点検である。
そう、目的は点検ではない、あの変な音の正体を確かめるべく
私はこの日を待っていたのだ。
早速ディーラーへ到着すると駐車場でセールスマンさんに出会った。
このお方、私にエイトをそそのかし、嫁も難なく説得し、
見事に私をエイトオーナーに仕立てた人物である。
「エイトの調子はどうですか~。」
とニコニコしながら店内へ案内してくれるのだがどうも様子が変だ。
私の視界を遮るようにセッセと店内へ入れようとする。
う~むと思い、遮られた視線の先に首を傾けてみると
ガ~ン!納車前のピカピカのストラトブルーマイカ・・・。
いや・・・、いいんですよ・・・。そこまでしなくても・・・。
今更、色の事を気にするような私ではないです。
そう、私は誰もが認める器のデカイ男なのだ。ガッハッハ・・・ハ・・・。
私「アノ色・・・、いいですね・・・。」
セ「あっ・・・、見えちゃいました。でもアノ色は洗車傷が目立つから・・・。ねっ。」
私「傷ですか・・・。」
セ「そう。メタリック系が洗車傷が目立たなくて1番イイですよ。ねっ。ねっ。」
私「そうですか・・・。」
セ「そうです。エイトで1番渋い色はチタグレです。ねっ。ねっ。ねっ。」
私をチタグレ大好きに洗脳しようとしてるのが見え見えだが
まぁ、いい。ここは「ねっねっ教」の教祖様の話に乗っておこう。
私「ハイ。チタグレガダイスキデス。キョウソサマ。」
これで私も今日から「ねっねっ教」の信者だ。
早速、電流が流れる白い帽子を嫁に買ってもらおう・・・。
まぁ、今日は色の事を悔やみに来た訳ではない。
問題はあの変な音なのだ。
店内に入り、早速事情を説明する。
勿論、変な音とは言わず、
さりげな~く「高回転域で違和感があるんですよ。」と。
すると、現象を確かめたいとの事でメカニックさんが
同乗してくれる事になった。
私は
「メカニックさんお願いだ。変な音と言ってくれ。」
と念じながら車を走らせ、そして見通しの良い道路へ差し掛かる。
私「じゃあ、上の方まで回しますね。」
メ「ハイ。」
私「いきますよ。」
ウィーーーーーーーーーーーーーン。
ヂリヂリヂリヂリヂリ~。
メ「んっ!?。」
私「今、音しましたよね。」
メ「確かにしますね。」
私「ヂリヂリってしますよね。ねっ。」
メ「ハイ。」
私「コレって普通じゃないですよね。ねっ。ねっ。」
メ「う~ん、正常ではないです。」
私「じゃあ、これって変な音ですよね。ねっ。ねっ。ねっ。」
メ「ハイ。ヘンナオトデス。キョウソサマ。」
お~、教祖様。「ねっねっ教」の力は偉大です。またひとり仲間が増えました。
あと何人勧誘すれば、私も空を飛べるようになりますか?
で、色々調べてもらったのだが、結局関連ディーラー内でも
情報がない為、後日一週間程入院する事になった。
でも、関連ディーラー内でも情報がないって・・・。
うちのエイトが県内初ってことかな・・・。
店内に戻り、少しブルーな気分に浸りながら外に目をやると
寒空の下、私のエイトを修行僧のように黙々と洗車してる教祖様がいた・・・。
嗚呼、なんという事だ!。私の教祖様が・・・。こんな事を・・・。
「イケません教祖様!。ボディーを雑巾なんかで拭いちゃぁ・・・ぁぁ・・・」
つい先程、教祖様のお言葉でチタグレ大好きになった私であるが、
「ストラトブルーマイカだったら、高級クロスで拭いてくれたのかなぁ・・・。」
と、早速「ねっねっ教」を脱会しようと思う私であった・・・。