ホイールが・・・の巻 | RX-8不定期報告書

ホイールが・・・の巻

大事な事を報告するのを忘れていたがエイトは嫁も運転をする。
彼女は立派にAT限定という免許を持っているが、
これまで我が家にあった車はことごとく彼女にぶつけられている。
エイトの前の車はどうも相性が悪く1年半で乗り換えてしまったが、
その車を売る時にこんな話があった。
私はその車を売ろうと買取店に持って行って査定をしてもらったのだが
当然買って1年半しか乗っていない為無傷同然だった。
が、よーく見ると三ヶ所程細かな傷があった。
大した事は無く査定にはあまり影響しなかったのだが、
家に帰りその事を嫁に伝えると突然固まった。

「ゴメンなさい、実はぶつけて直した事があるの」

突然のカミングアウトである。
彼女曰く、ある日チョコット柱に擦ってしまった為、
近くの板金屋に持って行き直してもらったそうだ。
私としてはもう今更どうでも良いので「ふーん」と聞いていたが、
彼女にしてみれば一大事だったらしい。
まず板金屋に持って行き見積りをしてもらったが、
今日中にできないとの事で翌日にしてもらった。
当然擦った当日は傷はそのままで私に見つかる可能性がある為、
なるべく私を車に近づかせないないように誘導していたらしい。
ところが、板金屋で気が動転していた彼女は連絡先の携帯番号を
自分のではなく私の番号を伝えてしまっていた。
翌日私の携帯に「○○様ですか?お車の件ですが・・・」と
訳のわからぬTELがかかってきた。
私が「えっ?」と聞き返すとあせって「失礼しました・・」と切ってしまった。
何か変だと思いつつ帰宅後彼女にTELの事を伝えると

「なんだろね~」

と知らん振り。
それもそうだ、もう直してしまった為、擦ったという事実は
彼女と板金屋しか知らないのだ。
板金屋はダンナに内緒と彼女に念を押されていたが
事務処理上の都合なんだろうか
ご丁寧に営業ハガキや年賀状送ってきてたので
彼女は隠蔽工作するのに大変だったとの事だった。
そんな事もあった為、エイトの時は

「隠さずに言う事」

というルールをこの間決めたばかりだった。

そのルールは早速適用される事になる。
というより私が現場に遭遇したという言い方が正しい。
我が家から大通りへ出るまで結構道が狭い。
その上曲がり角が多いのだ。
と言う事は必然的にぶつける人が多くなる。
案の定、彼女はそのひとりになった。
ある日彼女の運転で家から大通りへ出るときの角を曲がっていた時

「ガリッ!」

という音が聞こえた。
私はとっさに

「アッ!」

と言ったがもう遅い、「ガリッ!」の後に「アッ!」と言っても
何の効果も無いのだ・・・
ちょっと車を止めてもらい右後のホイールを見る。
「ウーン、ナルホドミゴトニイッテマスネー」
動揺の為か、かたことの日本語になってしまう。
彼女はキョトンとしてこう言い放った
「どしたの?猫でも轢いたの?」
おい、猫なんか轢いたら「グチュ」とか「ベチョ」とか、
もっと生理的に嫌な音がするよ・・・
どうも彼女はわかっていない、
そう今までの車ではタイヤが先にあたる為
ホイールをぶつけるという事がないのだ。
今回は扁平率が低いのでホイールがぶつかってしまう。
おーー、買ってまだ2週間なのに・・・なぜなぜこんな事に・・・
とショボンとしてたら、

「前にもガリッ!って音したよ」

と悪魔のような
「ガリッ!」のフレーズが入ったセリフが聞こえてきた。
私はあわててもう一度ホイールを見直す。

「ウーン、ゴカショホドイッテマスネ」

もう私はフィリピンパブの女の子より日本語がヘタになっていた。

「そういえばこの前カーブでトラックよけた時もガリッ!ってしたよ」

また悪魔フレーズ入りのセリフが聞こえた。
私はとっさに右脳でシチュエーションをイメージする。

「左前だ!」

急いで見に行く

「オー、ハンシュウクライミゴトニイッテマスネ」

・・・私はカルロス・トシキになった。

計7ヶ所、左前、後右損傷です・・・・